島スクエア

 久々のブログ投稿です。Facebookを始めてから,ブログ更新が滞っております。今日は5年前から外部評価委員として関わってきた「島スクエア」のことを書きます。
 山口県周防大島町にある大島商船高等専門学校は,科学技術戦略推進費補助事業の地域再生人材創出拠点の形成「山海空コラボレーションみかん島再生クルー」(通称「島スクエア」)に取り組んでおられます。5年間の補助事業で,最終年度の今年度まで島での起業家育成をめざし,「島(起業基礎)」「山(商品開発)」「海(体験型観光)」「空(Web・動画)」などのコースで講座やフォーラムなどを開催してこられ,5年間で延べ351名の修了者を送り出し,そのうち何名かが実際に起業するという成果も出されました。
 http://www.oshima-k.ac.jp/shima-sq/
 本日はその最後の外部評価委員会が開かれ,私も僭越ながらコメントをしてまいりました。2回の発言チャンスがあり,最初は5年間の事業に対する評価,次に今後の展開可能性について述べさせていただきました。
 まず,5年間の事業については,すばらしいと感じた点を3つ,残された課題と感じた点を2つ述べさせていただきました。すばらしいと思ったのは,
 1.都市計画やコミュニティ・デザインに加えてビジネス・インキュベーションもまちづくりの一つの柱と実感できたこと,
 2.それに高等教育機関が関与する意義と可能性が確認できたこと,
 3.計画だけでなく運動論も展開され,起業教育研究センターが設置されたり,NPOの設立準備が進んだりしたことなどです。
 また,課題としては,
 1.インプットだけでなくアウトプット,アウトカムも具体的に示してほしかったこと,
 2.高等教育機関がビジネス・インキュベーションをはじめとする地域貢献活動に関わる際の具体的な工夫や課題を示してほしかったこと,
 です。次に,今後の展開可能性(起業教育研究センターについて)については,6つの提案をしました。
 1.高専教員による「周防大島学」ともいえる研究を支援する制度の創設
 2.高専学生による周防大島をテーマとした卒業研究等の推進
 3.地域内外の方を研究生として受け入れ,共同で周防大島研究を推進
 4.小学生の夏休みの自由研究を高専がサポート(ジュニア研究生inサマー)
 5.上記研究成果をとりまとめた紀要等の発行
 6.島をフィールドとした起業プランコンテストの開催
 これらを10年続ければ,相当の蓄積が進むのではないかと思いました。1年に1回か2回,会議に行くだけで生意気な発言でしかないかもしれませんが,会議に参加された方,また周防大島に関わる方の中でどなたかが1点でも引っかかるところがあれば幸いです。また,このブログを読まれたみなさんから,コメントをいただければ幸いです。
 ちなみに以下の写真は,本日の会議資料,起業教育研究センター入口,起業教育研究センター横に廃校を活用してオープンした福祉施設です。