誰のための事業?

最近,行政の情報公開や行政評価が活発になり,行政活動の透明化が進んでいます。それ自体はとてもよいことだと思います。一方,財政悪化も進展し,限られた予算を効率的・効果的に使う琴が求められます。
この2つの状況変化がもたらすことの一つとして,公共事業が市民にとって喜ばれるものになることが期待されるはずです。しかし,実態は逆のように思います。市民に説明がつくようにということは言い替えれば,行政が説明を求められた時に困らないように,また財務部門に説明ができるようにということが優先され,まちづくり分野を含め,行政と協働してそれに取り組もうという人々の意思や行動は二の次になっているような気がします。その結果,公共事業は実は市民のニーズや行動実態からますます外れたものになっているような気がします。
地域の人と一緒に事業をしてこういう方向にもっていこうと皆で合意しても,そこに行政のお金が入っていれば,行政の論理,すなわち市民に説明できる建前が優先される。説明責任という言葉を借りて,真に市民が求める事業でなくお上が説明できる事業に変質してしまい,地域の人々がしらける場面が近年特に多いような気がします。
市民も二分化しています。行動する市民と評価するだけの市民。市民自身も再考が必要では・・・。
こういうことばっかり言うから受注が減るんだよなあ・・・(笑)