情報通信と都市

グラハムとマーヴィンの『情報通信と都市(Telecommunications and the city)』を読みました。バーチャル・シティやインフォメーション・シティ,インテリジェント・シティなど,いわば”浮かれた”明るい未来の到来を描いたそれまでの楽天的・未来学的な論調に対して,情報通信と都市の相互関係を現実的に描いた力作です。インターネットが本格的に普及する前の1996年に書かれたものですが,その後のインターネット時代の解釈・分析にも有用な視点が多く提示されていたように思います。特に,サイバースペースにおけるコミュニケーションと現実社会における社会的・経済的な相互作用との関係が理論的に考察され,提示されていたのは私にとって大きな収穫でした。
広島ブログ