大往生の島

 大往生の島。こんな島があるのをご存知ですか。もちろん,正式な島名ではなく,長寿,生涯現役という特徴を持つ島を「大往生の島」と呼んでいるのです。名づけた人は佐野眞一さんというノンフィクション作家。山口県周防大島町にある小さな小さな島,沖家室島(おきかむろじま)がそう呼ばれています。私も3回ぐらい行ったことがあります。
 今,昨年度の徳山大学地域貢献研究で行った周防大島調査の結果をとりまとめ,論文を書いているのですが,沖家室のこと,また「大往生の島」という見方が参考になります。そして,佐野眞一さんが信奉しているのが沖家室島出身の民俗学者宮本常一です。周防大島研究の一環で,宮本氏の著作を何冊か読みましたが,実にこまめに現地調査を行い,また的確な指摘をされていることに驚き,勉強させてもらいました。
 その足許に及ぶことさえ難しいかもしれませんが,少しでも周防大島の皆様に参考にしてもらえるような報告が書けるように頑張りたいと思います。私の切り口は「知識・情報」「ネットワーク」です。この視点から周防大島の地域づくりを論じてみたいと思います。