相互作用の舞台演出(7)

昨日の続きです。今日は「居心地のよい場」をつくるための工夫について。

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 ところで,「参加者と同じ目線でただいる」だけの牛来も,本当にただいるだけでなく,場をつくる上でしっかりしたコンセプトを持っている。これは牛来さんだけでなく,氏原さんの次の発言にも同じことが言える。
 ●牛来:自分自身の中では明確なコンセプトを持っていて,講演などではそれを話すが,身近な人ほどそれを感じてくれていないと思う。ただ,それを貫いているからこそ,みんなが集まってくるし,それに合う人だけが選ばれてくると思う。
 ●氏原:一時的に活動の方向が右や左に行っていても,根本となるコンセプトはきちんと持っている。
 自分が中心となって相互作用の舞台をつくる牛来や氏原,吉原の活動と違い,大学助教授である川名の活動は起業意欲に燃える学生たちに「場を与える」あるいは学生たちを「場に出す」という性格を持っている。そして,川名自身は「場を与え」たり,「場に出す」行為を当たり前のこととして何気なく実践しているわけで,学生の積極性と地域社会の寛容さが新しい活動を次々と誘発している。川名自身は,自らの活動を次のように捉えている。
 ●川名:学生をまちづくりの現場に出すと,地域のみなさんがかわいがってくれる。大学の先生はどうして今までそういうことをしなかったんだろうと思う。別にインターンシップという制度を作らなくても,毎日違う学生を連れ歩いていれば,それが自然にインターンシップになるのだ。砂粒の中に接着剤をポンと入れればくっつくわけですよね。

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