相互作用の舞台演出(16)

再び,創発・・・のボツ原稿の続きです。今日はメディアの活用方法について。

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 メディアを通じて,活動を刺激する方法もある。
 ●和田:活動そのものをサポートするというより,様々なメディアを通じて組織や活動を発信することで,参加者のモチベーションが高まるように努めた。その際,メディアの方にも取材者というよりも活動主体の一員として参加してもらうようにした。
 ●増田:メディアに取り上げられることで当事者がどれほど奮起するかという現実を,氏原や川名から何度も聞かせてもらっている。一生懸命やっている人たちが「われわれの活動の社会的意義はなんだろう」と立ち止まった時,メディアがそれを文章にして整理し,第三者に知らせることによって確認し,励まされ,次のステージへの活力や新しいネットワークが生まれるという。記者自らがそれを過大評価するのは危険だけれど,自覚しておく必要はあると思う。
 増田も和田も新聞などのメディアによる後押しが必要だとしている。私は,活動を推進あるいは支援する立場からメディア活用の必要性を感じており,新聞記者などに協力してもらって(時には新聞記者などにもまちづくり活動に参加してもらって)活動状況を記事にしてもらい,当事者はもちろん一般住民や行政職員に読んでもらうことで,当事者の活動意欲が高まったり,一般住民や行政職員のその活動への関心が高まったりすることを期待している。それは活動内容の詳細を知ってもらうこともそうだが,活動の継続・拡充に向けたムードが高まることを主眼に置いている。
 また,増田はメディアの立場からまちづくり活動をとりあげ,紹介していくことの必要性を感じている。メディア自身も,組織や活動に関する情報が発信されることで,当事者の活動意欲が高まったり,活動が充実したりすることを自覚していて,それによる地域の活性化を期待しているのである。

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