アニメーション・今年のまとめ6

先週金曜日の続きです。

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(3) 広島アニメーションセンター
 これらの3事業の中で,「広島の創造都心」の実現にもっとも貢献できるのはHACであろう。HACが構想および計画された背景は次の2点がある。一つは,2005年度の検討会議において,委員の一人からアニメーションの拠点施設を広島に整備することが提案されたことである。もう一つは,広島SOHOユクラブ が中心となって広島に新たなSOHOやクリエイターの集積地を整備しようという構想があり,すでにその実現に向けた動きが始まっていたことである。この2つの流れを合流させ,「広島=アニメーション」を国内外にさらにPRするとともに,地元のSOHOやクリエイターらがアニメーションの考え方やコンテンツを活かした創造活動や関連ビジネスを生み出す拠点として構想されたのがHACである。「ポール・イマージュ・広島」はその構想をとりまとめ,2006年1月に現在の広島市民球場がJR広島駅貨物ヤード跡地に移転した後の跡地活用方策として広島市に提案し,同年10月からその必要性と可能性,運営上の課題を明確にするため,その設置実験を行うことにした。
 HACの社会実験は,「広島のビジュアル文化・産業の創発拠点 −創る・繋がる・生みだす・集まる−」をテーマとして,10月6日から11月26日まで開催された。また,11月7日から10日までの4日間,HACの実現に向けたプロモーションイベント「ひろしま創発フェスタ2006」が地下街シャレオ中央広場で開催された。メイン会場では,アニメーションの原理や歴史,広島とアニメーションの関わりを紹介する展示コーナー,フェスティバル入賞作品や人気アニメーション作家の作品,広島をテーマとした長編アニメーション作品,地元学生の作品などを上映するミニシアター,ぬり絵やクレイアニメーション制作が体験できる体験コーナー,様々なアニメーション情報を発信する情報交流コーナーが常設された。また,会場内に設置されたクリエイターズ・キャンパスでは,毎週約2回の頻度でアニメーション作家等との交流会やアニメーションなどのコンテンツを活用したビジネス展開をめざす人を対象としたプロデューサー養成講座などが開催された。また「ひろしま創発フェスタ2006」では,有名な漫画家やアニメーション作家らによる個人指導やトークセッションのほか,広島のクリエイターらが自らの作品やサービスを展示即売する市場「バザール・ド・イマージュ」が開催された。