地理科学学会

 今日は広島大学で地理科学学会があり、2件の発表の座長を務めてきました。ESDとラムサール条約。いずれも、インターナショナル・レベル(スケール)のグランドルール、ナショナル・レベル(スケール)の法律・制度、ローカル・レベル(スケール)の合意形成・実践、という枠組みがあり、その関係性を読み解こうとされている研究で、非常に興味深いものでした。
 私のほうはというと、今年、夏から秋にかけて3件の学会発表予定が決まりました。8月に広島でインドのことを、ドイツで大阪のことを発表し、10月に再び広島で島根のことを発表します。
 さて研究しなくちゃ。

進化するゼミ生

 徳山大学で3年生から履修する「専門ゼミ」。私のゼミでは4年次に5万字以上(図表を含む)の卒業論文を書くことをノルマとし,3年次にはその準備として地理学に関するさまざまなトピックや地域調査の進め方について学習を進めます。
 今年度,私の「専門ゼミ1」には10名の3年生が入りました。彼らは4月半ばから順番に,割り当てられた地理的トピック(教科書に4ページずつでまとめられている)を要約し,教科書以外に自分で調べたことと併せて,ゼミ中で発表するとともに,他のゼミ生からの質問攻めに答えるというオブリゲーションをこなしています。昨日のゼミで10名全員が1回目の発表を終えました。
 最初の頃の担当学生は,前例もなく手探りの発表で,私もいろいろと修正ポイントを話しました。また,後半に発表予定の学生には,最初の頃に発表した学生に私が話した修正ポイントをクリアした発表,すなわち前の人よりいい発表をしなさい,と繰り返し言ってきました。
 そのかいあってか,昨日行った2名の発表は,1回目の発表にしてはまずまずという感じでした。レジュメのまとめ方(決められた分量で伝えたいことを要領よくまとめる)も整ってきたし,何より,教科書以外に割り当てられたテーマに関して自分でいろいろな資料に当たり関連情報を収集・整理していたこと,そして自分で発表原稿や想定問答集を作っていたことが大いに評価できると思います。
 「想定した以外の質問が出てあせった」「思うように質問に答えられずテンパった」といった感想を後で聞きましたが,いろいろと自分で考えて準備したことがすばらしい。ゼミでの学習が,学問としてのトレーニングになると同時に,社会人になって仕事をするためのトレーニングになれば嬉しいです。
 1週間おいて再来週からは,2回目の発表です。「専門ゼミ1」の各学生には1回目よりよい発表を期待したいと思います。
 そして,本日の「専門ゼミ2」は4年生の卒業論文に関する発表です。今日の発表内容は,山口県内のみかん観光農園事業を「農村空間の商品化」という視点で分析しようというものです。頑張れ,K君!

周南まちづくりコンテスト2012

 私が業務を担当している徳山大学地域連携センタ―では,平成22年度から「周南まちづくりコンテスト」を開催しています。全国からまちづくりのアイデアを募集し,優秀なアイデアを表彰するとともに,それらを周南市役所等で活用してもらうことにより,地域振興につなげようという企画です。
 平成22年度は中山間地域振興,平成23年度は地域スポーツ振興をテーマとしてきましたが,今年度は「周南地域の産業・経済再生」をテーマに,コンビナートの再生・活用,中心市街地の再生・活用,観光・交流の促進,周南ブランドの育成等に関するプラン(アイデア)を募集します。高校生部門,大学・高専部門,一般部門の3部門で募集しており,応募者の年齢や居住地,職業,個人かグループかなどは一切問いません。
 近年,大学の地域貢献として,学生の地域活動等への参加,教員等の持つ知識・ノウハウの地域社会への移転が多くの大学で行われていますが,この企画は大学が地域振興のコーディネーターとしての役割を果たしていこうというものです。
 多くの皆様からユニークな提案をいただきたいと思います。詳しくは徳山大学ウェブサイトをご覧ください。
 http://www.tokuyama-u.ac.jp/

進化する強さ

 昨日,クルム伊達公子が著した『進化する強さ』を購入して,一気に最後まで読みました。伊達さんは心の強い人だなあと思うとともに,「楽しむ」という生き方に刺激を受け,またテニスと剣道といういずれも対人競技に多くの共通点があることを学びました。
 「楽しむ」という生き方。単に楽をするということでなく,何かの目標を立てて,それを達成するという楽しみを持ち,実現していくこと。「しなければいけない」と考えて,不要なプレッシャーを自らにかけるのでなく,そのプロセスを楽しむという気持ちを持つこと。今の自分に欠けていることだなあと思い,伊達さんの心の持ち方を参考にしようと思いました。
 そして,テニスと剣道の類似性。心理が大きなウエイトを占めること,相手との駆け引きが必要なこと(相手の変化を見逃さないこと),そのために日頃からルーティンをきちんとこなしながら自分と自分の周りの小さな変化にも気づく姿勢と感性を培っていくこと・・・。なるほどね,,,と思いました。
 10代や20代の時の体力は戻らないけれど,さまざまな経験とそこからの学びを力に,自分自身,もっと進化したいと思います。

つながり=財産

 半月ほど前にフェイスブックを始めましたが,コツコツとかつての職場や学校の知人・友人のページを見つけては友達申請したり,逆に私のページを見つけてもらったりして,昨日までに130人あまりの方と「友達」になることができました。その間,自分自身のキャリアを振り返ることができたとともに,多くの人とのつながりの中で自分があったことを改めて実感させていただきました。「つながり=財産」を改めて感じた次第です。FBで「友達」になっていただいた方,これからもよろしくお願いいたします。
 また,私は以前に電子メール,ウェブサイト,ウェブログ地域SNSなどを介した人と人のコミュニケーション,連結について地理的観点から研究してきましたが(抜刷がそれぞれ数部あります。ご希望の方はご一報くだされば郵送いたします),フェイスブックを介して展開されるコミュニケーションやつながりを分析すると面白いことが発見できそうだなとも思いました。同じSNSでも,mixi地域SNSとは違った特徴が見いだせるかも・・・。
 こうした「つながり」は,個人の財産であるとともに,地域にとっても財産であり,それを構築したり,活用したり,再編したりすることで地域づくりにもつながると思います。すなわち,地域づくりにおいて人のつながりが大切で,それを仕掛けるコミュニティデザインが重要であるといえます。コミュニティというと地縁組織を思い浮かべがちですが,今日では,地域の境を越えたつながり,インターネットなどメディア上のつながりも同等に重要で,それらを拡げる努力をしつつ,また相互に交流できる場を運営しつつ,適切にそれらを活用することが求められると思います。私自身,そんなお手伝いができる人になりたいし,そんなお手伝いができる若い人が育ってくれればなあ・・・と思います。

ゲーミフィケーション

 4月半ばから「ゲーミフィケーション」に関する何冊かの本を読みました。ゲーミフィケーションは現実世界と架空世界(ゲーム)の融合(架空性などゲーム的要素の現実世界への導入)を表す言葉で、近年、インターネット業界ではウェブ、ソーシャルに続く第3のウェーブとして注目されています。日本では、現実世界の問題を解決するために、その問題をゲーム化して解決シミュレーションを行うシリアスゲームがその例といえます。
 私は昨年度から、科研費研究でメディア・コンテンツの地域利用について実態分析を進めていますが、ゲーミフィケーションの考え方はとても参考になるものでした。ゲーム的要素が地域振興に用いられたり、架空世界(物語)が現実世界の特定の場所に再現されたり、、、。前者の例として戦国バサラやコロプラなどが挙げられるし、後者の例として水木しげるロードやアキバなどが挙げられると思います。近年注目されているゆるキャラも広い意味でこれらに加えることができるかもしれませんね。
 GW明けからは、スコットのいう文化産業(特にエンタメ地区)、吉見のいうドラマトゥルギー、増淵のいう趣味の産業化プロセス、バキスのいうジオサイバースペースをいま一度勉強した上で、ゲーミフィケーションを含めてメディア・コンテンツの地域利用に関して考え方を整理していきたいと思います。そして、国内のある場所を対象に事例分析を行う予定です。これらの研究成果は今年夏の学会で発表したいと考えています。
 「こんな見方もあるよ〜」、「こんな面白い事例があるよ〜」という方、ぜひご一報ください。

鉄わん波平

審査の時に宿泊したのが大阪・十三(じゅうそう)。そこの駅前商店街で「鉄わん波平」なるキャラクターを目にしました。これって、アリなの?
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ちなみに、「鉄わん波平」について書かれた大阪商工会議所のコラムはこちら。
http://www.osaka.cci.or.jp/Kankoubutsu/Newsletter/172/kourei3-1.html